NHKのTV番組「日本のがん医療を問う」が放映されました。4年前に主人が肝臓がんに倒れただけに、大変感じ入りました。
日本人の死亡原因の第1位である、がん対策の前進は国を挙げた急務の課題となっています。公明党は2005年6月にがん対策プロジェクトチームを発足させ、党独自の提言をまとめ上げるなど、がん対策強化を積極的に推進してきました。
国民の2人に1人が、がんにかかり、がんで亡くなる方は年間30万人にも上っています。しかも、がんにかかる率(罹患率)や死亡率は、ともに上昇を続け、誰がいつ、がんを発症しても不思議ではありません。
公明党が、がん対策強化に本格的に取り組むきっかけは。
2005年春、がん患者団体の方から、「患者さんやご家族の8割以上が日本のがん医療に不満を持ち、良い病院や医師を探してさまよう患者の姿は“がん難民”と称されるほど深刻である」との提言や、がんの罹患率、死亡率ともに減少を続けている欧米と比べ、がん対策の問題点を明らかにし、一刻も早く取り組まなくてはならないと、「がん対策プロジェクトチーム」を発足。
調査活動や現場の視察で浮かび上がった課題は。
要約すると、大きく七つの問題点が浮かび上がってきました。
① 住む場所や病院によって、治療の内容、レベルに大きな差がある、地域間・病院間格差。
② 海外で承認されている抗がん剤が日本で未承認のために使用できず、遺伝子治療や免疫治療などの先進的がん治療も日本では受けられない。
③ 放射線療法や化学療法などの、がん治療専門医の圧倒的不足。
④ がん患者に対し、外科、内科、放射線科、精神科などの各医師や、看護師、薬剤師などがチームを組んで治療にあたる「チーム医療」が日本で普及していない。
⑤ 患者さんが治療のための情報を得ることや、安心して相談できる窓口が不十分。
⑥ がん治療にとって早期発見・早期治療が不可欠にもかかわらず、欧米でのがん検診受診率80~90%に対して、日本では10~20%と極めて低いこと。
⑦ 終末期医療および緩和ケアが不十分で、医学教育の見直しが必要。
それらの課題に対する公明党の取り組みは。
2005年7月には来年度の予算要望を、9月には参院代表質問で、日本の国家戦略として、がん対策に取り組むよう求めました。こうした結果、12月24日に決定した来年度の予算政府案では、今年度144億円だった、がん関係予算が、来年度は159億円に10%以上も増額され、公明党の要望が大きく反映されました。
予算政府案に盛り込まれた主な施策は。
①乳がんの早期発見に有効なマンモグラフィの緊急整備 ②禁煙支援、生活習慣改善によるがん予防の推進 ③地域がん診療拠点病院の機能強化 ④がん専門医の育成 ⑤終末期医療の充実 ⑥がん医療技術の開発振興 ⑦がん情報センターの設置―など。
公明党はがん対策の推進へ提言も発表
「がん対策の推進に関する提言」を取りまとめ、文部科学相、厚労相に申し入れました。
提言では、(1)患者・家族の声を反映したがん政策の改革(2)早期発見・予防の強化(3)副作用や合併症の積極的予防(4)地域・病院間格差の是正(5)医療水準の飛躍的向上(6)緩和医療、終末期医療の充実(7)がん研究の推進(8)国際連携および国際貢献の強化(9)代替医療の研究促進―の9分野にわたり、具体的ながん対策の実施を求めています。
公明党は、多くの国民の皆さまの不安を解消するため、いつでも誰もが自由に、がん検診が受けられる「検診体制」の整備、がんと診断された時に、日本中のどこにいても必要な情報が得られ、安心して相談でき、的確ながん治療が受けられる「がん予防・治療先進国・日本」をつくるために、これからも党を挙げて、がん対策強化に全力で取り組んでいきます。
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