人口約360万人の横浜市へ、公明党愛媛県議と松山市議の4名で、安全管理局危機管理室を視察をさせていただきました。
「地震、台風などの自然災害等」や「テロや感染症等の緊急事態」、そして「武力攻撃事態等」などの「危機」への対策を総合的に行うために、平成16年3月に「横浜市危機管理指針」を定めています。
この「横浜市危機管理指針」は、横浜市の危機管理の基本となるもので、市民の生命、身体及び財産に重大な被害を及ぼす様々な危機に対して本市としてどう対処していくのかを明らかにし、市の責務や市民の皆さんの協力、危機管理の基本方針などを定めています。
〈横浜市リアルタイム地震防災システム〉
次の3つのサブシステムからなるシステムで、災害時には、効率的で的確な初期活動方針の決定などに活用。
①高密度強震計ネットワーク(平成9年5月本格稼動)
市内150か所に設置された地震計により、地震の全体像を把握。
②地震被害推定・地理情報システム(平成10年6月稼動)
被害地域の震度分布、液状化、木造建物等の被害を推定。
被害地域の特定や避難場所の開設準備を効率的に行います。
③被害情報収集・集約システム(平成11年4月稼動)
道路の実際の被害情報の収集・集約を行い、緊急物資の輸送計画の検討や道路啓開活動などに役立てます。
〈避難場所の指定と整備〉
1ヘクタール以上の安全な空間を「広域避難場所」として122ヶ所指定し、身近な小・中学校を「震災時避難場所」として455ヶ所指定し、校庭や余裕教室を利用した「防災備蓄庫」を設置した地域防災拠点とし、地域・学校・行政で構成された「地域防災拠点運営委員会」が設置されています。
またこの他、町内会などが結成している自主防災組織活動を奨励しています。
〈地域医療救護拠点〉
「地域医療救護拠点」は、大規模地震等による災害時に限り、初期対応として必要な期間(原則として発災から3日間)、被災負傷者等の応急医療を行うため学校施設に臨時に開設するものです。中学校区ごとに1ヶ所の割合で、市内に145ヶ所を整備し、応急医療に必要な医薬品等を備蓄しています。
〈民間建築物の耐震化〉
昭和56年の建築基準法改正以前に建築された木造戸建住宅について、市民の申込みに応じて無料で耐震診断を行っているほか、診断の結果「倒壊の危険あり」と判定された住宅については、所得に応じて耐震改修工事費用の一部を補助しています。
〈密集市街地の防災まちづくり〉
防災上課題のある密集住宅市街地において、市民の皆さんと協働で計画をつくり、防災面や住環境の改善を進める「いえ・みち まち改善事業」を行っています。
どの対策も、「行政の責務は住民の生命を守ること」という観点から進めており、すばらしいものでした。