ハンセン病に対する差別や偏見をなくそうと、、松山市コミュニティセンターで フォーラムが開かれました。
「ハンセン病」は、結核菌と同じ抗酸菌の一種「らい菌」という細菌による感染症で、遺伝はしません。
抗菌剤の内服で治療しますが、一般医療機関(主に皮膚科)で保険診療が可能となり、日本では年に数人の新患者が発症しているだけですが、ほとんどが高齢者です。
このフォーラムは、ハンセン病の元患者が生活する、香川県の国立療養所、大島青松園などが開いたもので、同園は、中四国8県のハンセン病療養施設として1909年に開設し、これまでに約4000人が入所。
現在の入所者数は、127人で、全員が完治しており、平均年齢は約79歳です。
始めに 加戸知事が「行政が、かつて犯した過ちにつぐないをすると同時に、県民に更なる理解を求めていきたい」と挨拶し、中村市長も挨拶しました。
続いて、大島青松園に59年間入所されていて、施設の自治会長を務める森和男さんが、「ハンセン病問題と今後の課題」と題し講演。
現在68歳の森さんは小学3年生のとき大島青松園に入所し、当時の強制隔離政策の下、職員の対応は冷たく、充分な医療が受けられなかった辛い過去を振り返りました。
2001年、国の隔離政策は憲法違反と判断され、ハンセン病政策は大きく前進しましたが、長年、蓄積された偏見や入所者の高齢化は著しく、その多くの方が社会復帰をあきらめざるを得ませんでした。
先の国会で成立した新しい法律について、「地域社会から、孤立することのない生活が規定され、93万人分の署名や、私たちの声が届いた」と、評価しました。
一方で、高齢化や孤島という療養所の問題点を挙げ、入所者の平均年齢は79歳、毎年、10人前後が亡くなっていく中、森さんは「最後の1人まで寂しい思いをせず、安心して暮らせるように」と、地域に開かれた療養所の実現を訴えていました。
また、療養所の医療福祉の充実や、共生できる社会の実現に向け、さらなる支援を求めました。
引き続き、大島青松園のビデオ上映やシンポジウムがありました。
ロビーでは、入所の皆さんの作品展もありましたが、とても心打つ、素敵な作品でした。
公明党の山本博司参議員は、昨年から2度訪問し、森会長さんたちと懇談。要望や問題点を委員会でも質問し、ハンセン病問題解決促進法(ハンセン病問題基本法)法案の成立に頑張ってきました。
2001年熊本地裁ハンセン病国家賠償請求訴訟で公明党や坂口力厚生労働相(当時)が尽力し、控訴断念に導いてきました。
「一番苦しんでいる庶民の皆さまに 光を当てるのが政治の使命であり、公明党の原点」です。
将来に渡り安心できる療養体制の実現を、切に願っています。